インナーバルコニーとは?ベランダやバルコニーとの違い

2026.07.01

インナーバルコニーは、天候に左右されにくい洗濯スペースとして活用できるだけでなく、くつろぎの空間としても人気を集めています。一方で、設計や使い方によっては「思っていたほど活用できなかった」と感じるケースもあります。この記事では、インナーバルコニーの特徴やベランダとの違い、設置するメリット・デメリットを分かりやすく解説します。

インナーバルコニーとは?ベランダやバルコニーとの違い

家づくりを考えるときに、「インナーバルコニー」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。普通のベランダやバルコニーと何が違うのか、疑問に思う方も多いと思います。それぞれの特徴を知ることで、自分たちの暮らしにぴったりな住まいが見えてきます。

インナーバルコニーの基本的な特徴

インナーバルコニーとは、建物の内側に引っ込んだ形でつくられたバルコニーのことです。一般的なバルコニーのように建物の外に突き出ているのではなく、建物の一部をくり抜いたような形をしています。

大きな特徴は、しっかりとした屋根があることです。上の階の床や、建物の屋根がそのままインナーバルコニーの天井になるため、雨や風を遮りやすい構造になっています。半屋外のプライベートな部屋のような感覚で、お茶を楽しんだり、子どもの遊び場にしたりと、暮らしの幅を広げてくれる魅力的なスペースです。

ベランダや一般的なバルコニーとの違い

「ベランダ」や「バルコニー」という言葉は、普段何気なく使っていますが、実はそれぞれにしっかりとした違いがあります。それぞれの特徴を整理してみましょう。

ベランダは、建物の外に張り出したスペースで、屋根やひさしが付いているものを指します。雨が降っても洗濯物が濡れにくいのが特徴で、1階にあっても2階にあってもベランダと呼びます。

一般的なバルコニーは、2階以上の室外に張り出した、屋根のない手すり付きのスペースです。屋根がないため日当たりがよく、開放感があります。下の階の屋根部分を利用した広いバルコニーは「ルーフバルコニー」と呼ぶこともあります。

これらと比べて、インナーバルコニーは建物の内側にあり、奥行きを深く取りやすいのが特徴です。それぞれの違いを一覧表にまとめました。

種類設置する位置屋根の有無主な特徴
インナーバルコニー建物の内側(2階以上)あり(建物の屋根や上の階の床)雨風に強く、部屋の延長としてプライベートな空間を作りやすいです。
ベランダ建物の外側(階数は問わない)あり(ひさしや屋根)洗濯物を干しやすく、日本の住宅でよく見られる形です。
一般的なバルコニー建物の外側(2階以上)なし日当たりがよく、開放感がありますが、雨の影響を受けやすいです。

このように、インナーバルコニーは屋根があり、建物の内側に位置しているため、天候に左右されにくくプライベートな時間を過ごしやすいという強みがあります。どのような使い方をしたいかによって、選ぶスペースが変わってきます。

インナーバルコニーのメリット

天候を気にせず洗濯物を干せる

インナーバルコニーの大きな魅力は、屋根に深く覆われていることです。急に雨が降ってきても、干してある洗濯物が濡れる心配がほとんどありません。朝に洗濯物を干したまま、安心してお出かけや仕事に向かうことができます。

また、強い日差しや風から洗濯物を守る役割もあります。花粉や黄砂が気になる季節でも、外の空気に触れさせつつ、ダイレクトに付着するのを防ぎやすくなります。毎日の洗濯という家事の負担を、そっと軽くしてくれます。

プライベート感のあるアウトドア空間を楽しめる

周囲からの視線が届きにくいインナーバルコニーは、まるで家の中にいながら外を感じられるプライベートな空間です。お隣の家や道路からの視線を気にせず、リラックスした時間を過ごせます。

天気の良い週末には、お気に入りの椅子やテーブルを出して、心地よい風を感じながらお茶を飲んだり、読書を楽しんだりできます。子どもたちの遊び場や、ペットの日向ぼっこスペースとしても大活躍します。人目を気にせず、家族だけの特別な外遊びの時間を満喫できます。

リビングとつなげて開放的な空間を作れる

インナーバルコニーをリビングと隣り合わせに配置すると、部屋が外に向かって広がっているように見えます。窓を大きく開け放つことで、室内とバルコニーがひとつの広い空間のようにつながり、心地よい開放感が生まれます。

リビングの床とバルコニーの床の高さを合わせると、より一体感が強まり、部屋が広く感じられます。大勢の友人を招いてホームパーティーを開くときも、リビングからバルコニーへと自然に人が集まり、にぎやかで楽しい時間を共有できます。

インナーバルコニーがもたらす暮らしの変化

それぞれのメリットが、日々の暮らしにどのような変化をもたらすのかを表にまとめました。

メリット暮らしの変化と過ごし方の例
天候を気にしない洗濯物干しお出かけ中の突然の雨に慌てることがなくなります。共働きのご家庭でも、時間を気にせずいつでも洗濯物を干せます。
プライベートなアウトドア空間道路や隣家からの視線を遮りながら、自宅にいながらカフェ気分を味わえます。子どものプール遊びなどにもぴったりです。
リビングとの一体感と開放感窓を開けるだけでリビングが広がり、光と風が通り抜ける心地よい住まいになります。ホームパーティーもより盛り上がります。

インナーバルコニーのデメリット

建築費用や税金が高くなる傾向がある

インナーバルコニーは建物の内側に作り込むため、一般的なバルコニーに比べて建築費用が高くなりやすいです。屋根を支えるための柱や壁の補強、しっかりとした防水対策などの工事が必要になるためです。

また、固定資産税にも影響することがあります。一般的なバルコニーは延床面積に含まれないことが多いですが、インナーバルコニーは壁や柱に囲まれているため、延床面積に含まれて税金が高くなる場合があります。一般的なバルコニーとの違いを表にまとめましたので、参考にしてください。

項目一般的なバルコニーインナーバルコニー
建築費用比較的安く抑えられます工事が複雑になるため、高くなりやすいです
固定資産税(延床面積)奥行きが2メートル以内なら、含まれないことが多いです屋根や壁で囲まれているため、含まれる可能性が高いです

隣接する部屋の日当たりが悪くなることがある

インナーバルコニーには深い屋根があるため、お隣の部屋の奥まで太陽の光が届きにくくなります。特に太陽の位置が低くなる冬場は、お部屋が少し暗く、寒く感じられることもあります。

明るくてあたたかいお部屋を作りたいときは、窓の大きさを工夫したり、天窓をつけたりして、光の入り方を事前にしっかりと計画しておくことが大切です。

一般的なバルコニーよりも設置スペースが必要になる

インナーバルコニーは家の一部を削って作るため、その分だけお部屋(リビングや寝室など)のスペースが狭くなります。敷地の広さに限りがある場合は、お部屋の広さとバルコニーの広さのバランスをよく考える必要があります。

「せっかく作ったけれど、お部屋が狭くなってしまって使いにくい」ということにならないよう、本当に必要な広さを見極めて、お気に入りの空間を作ってください。

インナーバルコニーのポイント

使い道に合わせた広さと動線を確保する

インナーバルコニーをどのように使いたいか、あらかじめイメージを膨らませておくことが大切です。洗濯物を干す、テーブルを置いてお茶を飲む、子供やペットの遊び場にするなど、目的によって必要な広さは変わります。また、家事のしやすさを考えて、洗濯機のある脱衣所やリビングからの移動ルート(動線)も意識して計画しましょう。

主な使い道必要な広さの目安おすすめの間取り・動線
洗濯物干しスペース2畳から3畳程度洗濯機のある脱衣所や洗面室の近くに配置すると、重い洗濯物を運ぶ負担が減ります。
セカンドリビング・カフェスペース3畳から4畳以上リビングやキッチンと直接つなげることで、飲み物や食べ物をスムーズに持ち運べます。
子供やペットの遊び場3畳以上リビングからいつでも様子が見える位置に配置すると、安心して遊ばせることができます。

日当たりを確保するための間取りを工夫する

インナーバルコニーは屋根があるため、バルコニーの奥にある部屋に光が届きにくくなることがあります。お部屋が暗くなってしまわないように、光を取り込むための工夫を取り入れましょう。

天窓(トップライト)の設置

屋根の一部に窓を設けることで、上からの自然光をたっぷりとお部屋の奥まで届けることができます。

採光性の高い窓や間仕切りの採用

リビングとインナーバルコニーを仕切る窓を大きくしたり、ガラスの引き戸を採用したりすることで、光を遮らずに明るい室内を保てます。

目隠しやフェンスでプライバシーを守る

インナーバルコニーはプライベート感のある空間ですが、道路や隣の家との位置関係によっては、外からの視線が気になることもあります。心地よい風や光を感じながら、安心して過ごせる工夫をしましょう。

ルーバーフェンスの活用

細い板を隙間をあけて並べたルーバーフェンスは、風や光を通しながら、外からの視線を優しく遮ってくれます。

すりガラス調パネルの設置

光を通する半透明のすりガラス調パネルを設置すれば、バルコニー全体を明るく保ちながら、外からの視線をしっかりと防ぐことができます。

まとめ

インナーバルコニーは、天候を気にせず洗濯物を干せたり、おうち時間を楽しくしたりする魅力的な空間です。一方で、費用や日当たりなどの注意点もあります。後悔しないマイホームづくりのために、事前の計画を大切にしてください。

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