マイホーム費用で損しない!土地あり・土地なしケース別で賢く建てる!

マイホーム購入は、土地がある場合とない場合では、かかる費用が大きく変わってきます。この記事では、土地の有無で異なるマイホーム費用をお伝えします。それぞれのケースでどんな費用が発生し、無駄な出費を抑え、理想のマイホームを実現するための参考になればと思います。
マイホームの費用を土地あり土地なしで比較する
ケース別の費用把握
マイホームを建てる際、最初に直面するのが「土地をどうするか」という問いです。すでに土地を持っている方と、これから土地を探して購入する方とでは、マイホームにかかる費用が大きく変わります。
土地の有無は、住宅ローンを組む際の計画や、税金の種類、そして何よりもマイホームの総予算に直接影響します。例えば、土地を購入する場合は、土地本体価格だけでなく、仲介手数料や登記費用といった様々な初期費用が発生します。一方、既存の土地を活用する場合でも、古い建物の解体費用や地盤調査費用など、独自の出費が伴います。
この記事でわかること
この記事では、マイホームを計画する皆さんが知っておきたい費用について、土地の有無に分けて解説します。
- 土地探しから始める場合に発生する、土地購入にかかる費用とその相場、建物本体工事費用や付帯工事費用、そして諸費用や税金の内訳。
- すでに土地を持っている場合に発生する、既存の土地活用にかかる費用、建物本体工事費用や付帯工事費用、そして諸費用や税金の内訳。
マイホーム費用全体像 土地の有無で何が変わる?
マイホームを建てる際にかかる費用は、土地がある場合とない場合でその内訳や金額が大きく変わります。ここでは、まずマイホーム購入費用の全体像を捉え、土地の有無によってどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
マイホーム購入費用の主要な内訳
マイホームを建てるには、建物本体の費用だけでなく、土地の取得費や様々な工事費、税金、手数料など多くの費用がかかります。主な費用項目を把握することで、計画を立てやすくなります。
費用項目 | 概要 |
---|---|
土地購入費 | 土地の本体価格、仲介手数料、登記費用など、土地を取得するために必要な費用です。 |
建物本体工事費 | 建物の基礎、構造、屋根、壁、内装など、家として住める状態にするための主要な工事費用です。 |
付帯工事費 | 建物本体工事以外にかかる費用で、外構工事(庭、駐車場など)、地盤改良工事、解体工事、給排水工事などが含まれます。 |
諸費用・税金 | 住宅ローン関連費用(保証料、手数料など)、印紙税、不動産取得税、固定資産税、登記費用など、様々な手数料や税金がかかります。 |
土地ありと土地なしで発生する費用の違い
マイホームを建てる土地をすでに持っているか、これから土地を探すかによって、発生する費用は大きく異なります。
費用項目 | 土地なしの場合(土地購入から始める) | 土地ありの場合(既存の土地を活用) |
---|---|---|
土地購入費 | 土地の本体価格、仲介手数料、登記費用など、土地取得にかかる費用が発生します。 | 土地の購入費用は発生しません。 |
解体費用 | 基本的に発生しませんが、購入した土地に古い建物が残っている場合は発生することがあります。 | 既存の建物を取り壊す場合、解体費用が発生します。 |
地盤調査費 | 新しい土地でも地盤の状況を確認するため、発生することがほとんどです。 | 既存の土地でも、建物を建てる前に地盤の強度を確認するため発生します。 |
測量費用 | 土地の境界が明確であれば不要な場合が多いですが、必要に応じて発生します。 | 土地の境界が不明確な場合や、分筆・合筆を行う場合に発生します。 |
建物本体工事費 | 新しく建てる建物の工事費用が発生します。 | 新しく建てる建物の工事費用が発生します。 |
付帯工事費 | 外構工事や給排水工事など、建物本体以外の工事費用が発生します。 | 外構工事や既存インフラの活用・改修費用などが発生します。 |
不動産取得税 | 土地と建物の両方に課税されます。 | 建物の新築部分に課税されます。土地は既存のため、課税されません。 |
固定資産税・都市計画税 | 土地と建物に課税されます(新築後)。 | 既存の土地にも毎年課税され、新築後には建物にも課税されます。 |
【土地なし編】マイホームの費用を解説
土地がない状態からマイホームを建てる場合、まずは土地を探し、購入するところから始まります。土地の取得費用に加え、建物の建築費、そしてさまざまな諸費用や税金がかかります。ここでは、土地がない方がマイホームを建てる際に必要となる費用を詳しく見ていきましょう。
土地購入にかかる費用とその相場
マイホームを建てるための土地を探し、購入する際には、土地そのものの価格だけでなく、いくつかの付随する費用が発生します。
土地本体価格と諸費用
土地の本体価格は、エリアや広さ、立地条件によって大きく変わります。都市部では坪単価が高く、郊外になるほど価格が抑えられる傾向にあります。土地の価格以外にも、売買契約時に必要となる諸費用があります。
費用項目 | 内容 |
---|---|
土地本体価格 | 土地の売買価格。地域や広さ、立地条件によって大きく変動します。 |
手付金 | 土地売買契約時に売主へ支払うお金です。一般的に土地本体価格の5~10%が目安となります。 |
固定資産税等精算金 | 引き渡し日を境に、その年度の固定資産税・都市計画税を日割りで精算して売主へ支払うお金です。 |
土地の本体価格は、希望するエリアの不動産情報サイトなどで相場を調べてみましょう。複数の情報を比較することで、適正な価格を見極めるヒントになります。
仲介手数料と登記費用
土地の購入には、不動産会社を介することがほとんどです。その際、不動産会社に支払う仲介手数料や、土地の所有権を自分に移すための登記費用がかかります。
費用項目 | 内容 |
---|---|
仲介手数料 | 不動産会社に支払う報酬です。宅地建物取引業法で上限が定められており、「(売買価格×3%+6万円)+消費税」が一般的です。 |
登記費用 | 土地の所有権を移転する登記を行う際に司法書士へ支払う報酬と、国に納める登録免許税が含まれます。登録免許税は固定資産税評価額に一定の税率をかけて算出されます。 |
仲介手数料は、売買価格によって上限額が変わるため、事前に計算して資金計画に含めておくことが大切です。登記費用も、司法書士の報酬や土地の評価額によって変動します。
建物本体工事費用と付帯工事費用
土地を購入したら、いよいよ建物を建てる段階です。建物の費用は、本体工事費だけでなく、外構工事や地盤改良など、さまざまな付帯工事費用も考慮に入れる必要があります。
注文住宅と建売住宅の選択肢
土地がない状態からマイホームを建てる場合、土地を別途購入して注文住宅を建てるのが一般的です。しかし、土地と建物がセットで販売されている建売住宅も、土地探しから始める方にとって魅力的な選択肢となることがあります。
- 注文住宅
設計の自由度が高く、理想の間取りやデザイン、設備を自由に選べます。費用は高くなる傾向がありますが、こだわりを形にできる点が魅力です。 - 建売住宅
すでに完成しているか、建築中の住宅と土地をセットで購入します。設計の自由度はありませんが、費用が抑えられ、入居までの期間が短いことが特徴です。
どちらの選択肢もメリット・デメリットがありますので、ご自身のライフスタイルや予算に合わせて検討してみてください。注文住宅の場合、建物の本体工事費用は、ハウスメーカーや工務店、建物の規模や仕様によって大きく異なります。
外構工事や地盤改良の費用
建物の本体工事費用のほかに、見落としがちなのが付帯工事費用です。これらは快適な暮らしを送る上で欠かせない工事であり、予算にしっかり組み込む必要があります。
費用項目 | 内容 |
---|---|
外構工事費用 | 庭、駐車場、アプローチ、門扉、フェンスなどの工事費用です。内容によって費用は大きく変動します。 |
地盤改良工事費用 | 土地の地盤が弱いと判断された場合、建物を安全に建てるために地盤を強化する工事です。地盤調査の結果によって必要性が決まります。 |
上下水道・ガス引き込み費用 | 敷地内に上下水道やガス管が引き込まれていない場合、公道から引き込むための工事費用です。 |
造成工事費用 | 土地の形状を整えたり、高低差を解消したりするための工事です。傾斜地や変形地の場合に発生することがあります。 |
特に地盤改良工事は、地盤調査をしてみないと必要性がわからないため、予備費として予算に含んでおくと安心です。外構工事も、どのような庭にしたいかによって費用が大きく変わりますので、早めに計画を立てることをおすすめします。
土地なしでマイホームを建てる際の諸費用と税金
土地の購入費用と建物の建築費用以外にも、マイホームを建てる際にはさまざまな諸費用や税金がかかります。
住宅ローン関連費用
費用項目 | 内容 |
---|---|
事務手数料 | 住宅ローンを借り入れる金融機関に支払う手数料です。定額制や借入額に連動する定率制があります。 |
保証料 | 保証会社を利用する場合に支払う費用です。一括で支払う方法と、金利に上乗せして支払う方法があります。 |
団体信用生命保険料 | 住宅ローン契約者が死亡または高度障害になった場合に、残りのローンが弁済される保険です。多くの金融機関では金利に含まれています。 |
つなぎ融資手数料 | 注文住宅の場合、建物が完成するまでの間に土地代や着工金、中間金などを支払うための融資です。別途手数料や利息がかかります。 |
住宅ローンの金利だけでなく、これらの諸費用も比較検討することで、総支払額を抑えることができます。複数の金融機関でシミュレーションをしてみましょう。
不動産取得税と印紙税
費用項目 | 内容 |
---|---|
不動産取得税 | 土地や建物を取得した際に一度だけかかる地方税です。一定の要件を満たすと軽減措置が適用されます。 |
印紙税 | 不動産売買契約書や建築工事請負契約書、住宅ローン契約書などに貼付する印紙代です。契約金額によって税額が変わります。 |
不動産取得税には軽減措置があるため、適用条件を確認し、活用することで税負担を軽くできます。
【土地あり編】マイホームの費用を解説
ご自身の土地にマイホームを建てる場合、土地を購入するケースとは異なる費用が発生します。既存の建物の有無や土地の状況によって費用が変わるため、一つずつ見ていきましょう。
既存の土地活用にかかる費用
すでに土地をお持ちの場合でも、そのまま家を建てられるとは限りません。既存の建物の解体や土地の状態を調べるための費用が発生することがあります。
解体費用や地盤調査費
土地に古い家が建っている場合、その家を解体する費用がかかります。解体費用は、建物の構造(木造、鉄骨造、RC造など)や広さ、立地条件によって大きく変わります。例えば、一般的な木造家屋であれば、坪あたり3万円から6万円が目安となることが多いです。
新しい家を安全に建てるためには、地盤の強さを調べる地盤調査が欠かせません。地盤調査の費用は5万円から20万円程度が一般的です。もし調査の結果、地盤が弱いと判断された場合は、地盤改良工事が必要となり、さらに数十万円から数百万円の費用がかかることがあります。
測量費用と登記費用
土地の境界がはっきりしない場合や、土地の一部を売却・分筆したい場合は、土地家屋調査士による測量が必要です。境界確定測量の費用は、土地の広さや形状、隣接する土地の数によって30万円から80万円程度かかることがあります。
また、土地の地目(宅地、畑など)を変更する場合や、複数の土地を一つにまとめる合筆、一つの土地を複数に分ける分筆をする場合には、登記費用が発生します。これらの登記手続きは司法書士に依頼することが多く、その報酬も考慮する必要があります。
建物本体工事費用と付帯工事費用
土地がある場合でも、建物の建設には費用がかかります。既存の建物を活かすか、新しく建てるかで選択肢と費用が変わります。
リフォームと建て替えの選択肢
既存の家を活かして住み続けるなら、リフォームという選択肢があります。リフォームは、改修の範囲や内容によって費用が大きく異なります。水回りの設備交換から、間取り変更、耐震補強など、内容に応じた費用がかかります。全面的なリフォームの場合、新築に近い費用になることもあります。
一方、既存の家を解体して新しい家を建てる「建て替え」は、新築と同じように建物本体工事費がかかります。注文住宅であれば設計費用や建築費用、建売住宅であれば土地と建物のセット価格となります。建て替えの場合、仮住まいの費用や引っ越し費用も考慮に入れる必要があります。
既存インフラの活用と費用
すでに家が建っていた土地であれば、上下水道、電気、ガスなどのインフラが整っていることが多いです。これらの既存インフラをそのまま活用できれば、新たに引き込み工事をする費用を抑えられます。
しかし、インフラ設備が老朽化している場合は、修繕や交換が必要になることがあります。特に、水道管やガス管の引き込み口が古い場合や、電気の容量が足りない場合は、費用をかけて工事をする必要があります。
土地ありでマイホームを建てる際の諸費用と税金
土地を所有している状態でマイホームを建てる際にも、様々な諸費用や税金が発生します。これらを事前に把握しておくことで、資金計画を立てやすくなります。
住宅ローン関連費用
建物の建築費用を住宅ローンでまかなう場合、土地なしのケースと同様に、融資手数料、保証料、団体信用生命保険料などの費用がかかります。これらの費用は金融機関やローンの種類によって異なりますが、数十万円から数百万円になることがあります。
また、住宅ローンの契約には印紙税が必要です。契約金額に応じて税額が変わります。
固定資産税と都市計画税
土地を所有していると、毎年固定資産税と都市計画税がかかります。これはマイホームを建てた後も継続して発生する費用です。建物を新築すると、家屋に対しても固定資産税と都市計画税が課税されるため、税額が増えることになります。
ただし、住宅が建つ土地には「住宅用地の特例」が適用され、土地の固定資産税や都市計画税が軽減される制度があります。この特例を適用することで、税負担を抑えることができます。
以下の表で、土地ありの場合に発生しやすい主な費用をまとめました。
費用項目 | 内容 | 費用の目安 |
---|---|---|
解体費用 | 既存の建物を撤去する費用 | 木造家屋:坪3万~6万円 |
地盤調査費 | 土地の地盤の強度を調べる費用 | 5万~20万円 |
地盤改良費 | 地盤が弱い場合に強度を高める工事費用 | 数十万~数百万円 |
測量費用 | 土地の境界を確定させる測量費用 | 30万~80万円 |
登記費用 | 土地の分筆、合筆、地目変更などの登記手続き費用 | 数万円~数十万円 |
建物本体工事費 | 新築住宅の建設にかかる費用 | 坪50万~100万円以上 |
リフォーム費用 | 既存住宅の改修にかかる費用 | 数十万~数百万円(内容による) |
住宅ローン関連費用 | 融資手数料、保証料、印紙税など | 数十万~数百万円 |
固定資産税・都市計画税 | 毎年かかる土地と建物への税金 | 評価額による |
まとめ
土地なしの場合は土地探しから始まり、土地購入費やその諸費用がかかります。一方、土地がある場合は、既存の建物の解体費用や地盤調査費用などが必要になります。どちらのケースでも、建物本体工事費はもちろん、様々な付帯工事費用、住宅ローン関連費用、そして税金が発生します。ご自身の状況に合わせて、これらの費用を事前にきちんと把握することが、後悔のないマイホーム計画を進めるための大切な一歩になります。